
華やかなイメージがよく似合うトロフィー。
サッカーのワールドカップ、その優勝トロフィーともなると、世界の熱狂の中心にあります。ですからその輝きは、いっそう強いものになります。
しかしサッカーをよく知っていると、ふと別のことが頭をよぎることがあるのです。
それは、ワールドカップの初代トロフィーは行方不明になっているということ。
その初代トロフィーは、ジュール・リメ杯(ジュール・リメ・トロフィー)という名でサッカー通に知られています。
ちなみにジュール・リメというのは、第一回のワールドカップが開催された時のFIFA(国際サッカー連盟)の会長の名前です。
一回目のワールドカップが開催されたのは、1930年。つまり20世紀に入ってからです。まだ百年たっていないんですね。
さて初代ワールドカップトロフィー、ジュール・リメ杯はブラジルがワールドカップで3回目の優勝を果たした時、ブラジルで永久に保管されることになりました。
しかしあろうことか、このトロフィーは盗まれてしまったのです!
もっとも犯人は捕まり、大切なトロフィーは「溶かした」と証言しています。
ミステリアスなのはあくまでも犯人が証言しているというだけで、トロフィーが本当にその姿を失ってしまったのかは、謎に包まれているということです。
盗まれたことは大変残念で、犯人たちの所業は決して許されないですが、まだ世界のどこかにトロフィーは存在しているのではないかと考えるのは、私だけでしょうか。
いえ、実際にジュールリメ杯はあるコレクターが所有しているといった噂も、根強く流れています。
真相はまったくわかりませんが、現物が消えてしまっていてもこんなに想像をかきたてるトロフィーというのも珍しいものですね。
こんなことを書いていたら、今年はちょうどワールドカップイヤーでした。
日々の忙しさで忘れかけてしまっていましたが、トロフィーというものの価値を強く実感する一ヶ月間が始まるのです。