
先日あるSNSを見ていたら、「関西のコーヒーは濃いから」というのがありました。今は東京にいる私、これについてはまったくの初耳でした。
本当だろうかと思いつつ、「そういうことも、あるんだろうな」という気持ちです。なぜならソースや醤油みたいに全国一律の味だと思っていた調味料だって、西と東は味が違っています。
ずっと、「どうしてこの料理の味は、昔食べていたのと違うのだろう」と思っていたものが、多くあります。醤油の分量を変えたって違和感があったのは、もともとの調味料の味が違っていたからだったわけです。ソースだってちょっと違う種類のものであっても、生産は東の場合が多いですから味は関東寄り。ちなみに同じ西でも、九州と関西の味はまた違います。他の地域でも、味に違いは多くあることでしょう。
コーヒーに話を戻しましょう。
今はすっかり食事のあとはコーヒー、というのが当たり前のような私ですが、多く口にし始めたのは学生の頃からでした。それが関西に住んでいる頃ですから、「濃いコーヒー」というのを当たり前に飲んでいたんですね。
とはいえ学生時分は、食事のたびごとにコーヒーというほどでもありませんでした。今みたいにコーヒーが安価なお店も多くなかったですから。
頻繫に口にするようになったのはやはり社会に出てから、そして余裕が出てきてからです。
学生時代から憧れていたちょっと高めの喫茶店にようやく入れたのも、確か仕事をし始めて何年めかのことでした。
社会に出て暮らしに余裕を持てるようになった頃も、住んでいたのは関西です。私はわりと昔ながらの喫茶店に入ることが多かったので、この頃に食事のあとはコーヒーというスタイルが固まった(?)ような気がします。
やはり若いころは大きく味にこだわるということをしないもので、コーヒーの味の違いを楽しむというのは、この頃はありませんでした。
それがここ数年ですね。やっぱり味を楽しみたいな、なんて贅沢なことを考えるようになったのは。
幸いなことに日本のコーヒーの淹れ方がおいしい、というのが知れ渡ってきて、昔からのコーヒーの味わいは復権している印象です。しかしコーヒーというのは、雰囲気もとても大切なもの。昔ながらの喫茶店の雰囲気は、残念ながら減ってきています。
そして冒頭に書いたように、「関西の濃いコーヒー」というのも今さらながら味わいたいもの。しかし関西から離れてしまっていると、それを口にするのはなかなか難しいものです。しかも単純な味や濃さの違いだけではないと思います。関西という土地で飲む濃いコーヒーではないと、仮に同じ味でもやはり違った印象になってしまうのでしょうね。
コーヒーというのは、お祝いごとの記念品にもピッタリです。
贈られる人の思い出の味を再現するように淹れてあげる、なんてサプライズなんかもいいかもしれませんね。なかなかどんな味だったかを聞き出すのも難しいでしょうが、そうしたことをしてあげようと思った気持ちがキラキラと輝き、相手の喜びにもつながるはずです。
記念の思い出の一杯、それに私たちのクリスタルガラス製品も、形に残る記念品として一緒に候補にしていただけると、ありがたいなと思います。